おしゃべり道場初参加となったIさん。
課題を持ってやってきてくれました。
その課題とは・・・・・
「鼻濁音」
鼻濁音ってなに?という方もいらっしゃるかもしれません。
「がぎぐげご」の音を少し鼻にかけて発音するのが鼻濁音。
使い方には多少のルールがあって、それを覚えるのはちょっと厄介ですが、
東日本の出身の方は、特に意識しなくても、普通に使っている音です。
ただ、役者やアナウンサーには西日本出身の人間も多く、
全員が全員、生まれながら標準語の使い手ではありませんので、
アナウンサー志望者や、役者の卵の方たちが、
発声練習で必ずやるのがこの鼻濁音。
Iさんは東京生まれの東京育ち。
にもかかわらず、鼻濁音が苦手です。
正確には、普通に喋れば鼻濁音もおかしくないのに、
鼻濁音の練習や、原稿読みになると、意識しすぎてしまって、
鼻濁音が言えないというより、その言葉そのものがおかしくなってしまうのです。
理由は明らかでした。
基本的な発声は問題がないのですが、発声が問題ないために、
キチンと口を開けなくても、正しい音が出せていたのです。
そのため、音に合わせた正しい口の形を作ることができなくなっていて、
しかも、口の動きも決して滑らかではないため、
自分が苦手な鼻濁音を発声しようとすると、
意識しすぎて、前の音まで鼻にかけてしまったり、
そのまんま、次の音まで鼻にかかってしまっているのです。
自分の得意なものを前面に押し出していければ
そんなに意識もしないのでしょうが、
そこはシャイなIさん。
苦手なものが気になって気になって、意識せずには入られません。
そういう時の拠り所になるのは、自分が立ち帰れる基本。
そこで、鼻濁音の徹底練習と同時に、
正しい口の形を作って発声をするという、
基本中の基本を改めてやり直しました。
やはり一朝一夕ではマスターはできないかもしれませんが、
反復練習をすることでものに出来るはずです。
幸いなことに、一緒にレッスンを受けていたのが、
かつて、声優養成所に通っていてプロとして仕事をしていた経験もあるAさん。
「自分は教えるのは苦手」と言いながら、
Iさんが喋っているのを聞いて、時々的確なことを言ってくれます。
IさんはAさんをリスペクト。
真剣に話を聞いてくれていました。
Aさんの方はおしゃべり道場でフリートークの練習。
しゃべりたいことが多すぎて、話を整理することが一番のテーマですが、
今日は練りに練ったオチを披露してくれました。
レッスンの成果は相当な勢いで出ているようです。
話をIさんに戻せば課題を克服しようと
芝居塾で研鑽を重ねる姿勢は素晴らしいですし、
学んだこと1つ1つを自信にして、ぜひ夢を叶えて欲しいと思います。
むさしの芝居塾スタッフ
- 「声のいい人って輝いてみえます!人生をキラキラにしましょう!」 元文化放送アナウンサー。現在はNACK5のプロ野球中継などTV、ラジオで実況アナウンサーとして活躍中。正しく美しい発声法で、長時間出し続けられる貴方だけのいい声を、一緒に探しましょう!
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