スカジャンを着た恐い人と、スーツを着た恐い人

舞台に限らず、俳優には「引き出し」が求められます。

演技の幅の広さ、またはパターンの多さ。
広ければ広いだけ、多ければ多いだけいろんな役をこなせるわけです。

もちろんそれはアクションにおいても同じ。
この日の洸さんは、若手の男子塾生に向けてこんなことを言いました。

「スカジャンを着た恐い人と、スーツを着た恐い人を演じ分けよう!」

二十歳ちょっとの塾生たちは、「恐い人」というキーワードから
すぐに導き出せるのが「スカジャンを着た恐い人」しか無かった。
「恐い人」の引き出しがそれしか無かったんですね。
それまでの人生の中で身近に感じた「恐い人」がそれだったから。

では引き出しを増やすにはどうすればいいか。
その答えは、他人の人生を追体験するしかありません。

幸運なことに、私たちの周りには様々なフィクションが溢れています。
演劇はもちろんそうですし、映画やドラマ、漫画や小説だってきっとそうでしょう。

ひとの作品をたくさん吸収し、演技の引き出しを増やしていきたいですね。