決意を新たに

塾スタッフ初瀬です。

3月17日、「デイドリーム・ビリーバー」チームは
顔合わせと決起会を行いました。

顔合わせは出演者・スタッフが一同に集まって
これから加速していく稽古、そして本番に向けての意思統一を図るのと同時に、
外部スタッフさんに読み合わせを披露する大事な日です。

演出・針谷理繪子が出演者を集め今後に向けた心構えを説明した後、
2班のうちの1つ、ぐい呑み班が読み合わせを披露しました。

そして場所を移し、決起会となったわけですが、
私はこの日、どうしても話を聞いておきたかった出演者がいました。
名前は記しませんが、その人は東日本大震災の被災地出身です。
もちろん人には触れてはいけない事もありますから、
私も言葉を選び、その人が話せることだけを話してもらいましたが、
その話はあまりに現実離れしていて、そしてあまりに残酷で、
でも紛れもなく8年前にその人が体験したエピソードでした。
私を含め、その人の話を聞いていたその場の者たちが皆、
息を飲み、そしてそれぞれに何かを感じていたことでしょう。

私は2011年3月11日を東京で迎えました。
あの日の衝撃的な映像はまだ鮮明に覚えていますが、
それがどれだけ衝撃的だと言っても映像は映像。
その人は、その両目で全てを見たのです。

私達が今回上演する「デイドリーム・ビリーバー」は
自然災害で甚大な被害を負った架空の街が舞台です。

武蔵野芸能劇場に足をお運びいただく皆さんの中にも、
東北で、あるいは神戸で、新潟で、熊本で、北海道で、
自然災害の恐ろしさを目の当たりにした方がいらっしゃるでしょう。

私達はそんな皆さんに自信を持ってこの作品をお届けしなくてはなりません。
一人の出演者の話を聞き、決意を新たにした決起会でした。

一夜明けて、3月18日。
今日も稽古場に出演者が集まってきました。

顔合わせ・決起会で打ち解け、そして気合が入った出演者たちは
劇中の会話もよりスムーズになり、今日も作品を前進させています。

本番まで一ヶ月半を切りました。
一歩一歩、そして着実に「デイドリーム・ビリーバー」は磨かれています。

稽古時間が終わったあとも居残りで励む出演者たち。気合、入ってます!

むさしの芝居塾スタッフ

初瀬健大
初瀬健大
小劇場で活動後、引退してサラリーマン生活をしていたところを針谷理繪子によって引き戻される。写真やデザインをはじめ、むさしの芝居塾のアートディレクションを担当。

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初瀬健大

小劇場で活動後、引退してサラリーマン生活をしていたところを針谷理繪子によって引き戻される。写真やデザインをはじめ、むさしの芝居塾のアートディレクションを担当。